この記事では、保険の専門家が住宅火災保険の仕組みや補償範囲、メリット・デメリット、プランを選ぶときのポイントをわかりやすく解説しています。どんな人に住宅火災保険がおすすめかも紹介します。
住宅火災保険を探していると、こんなお悩みありませんか?

住宅火災保険ではどんな災害が補償されるの?

必要な補償だけを選んで保険料を抑えられないの?
そんなお悩みを解決するために、この記事では保険の専門家が住宅火災保険の補償範囲とメリット・デメリット、そして保険料の割引・補償の選び方・諸費用の補償という3つの選び方のポイントを解説します。
この記事を監修した専門家
株式会社エコスマート
事業開発責任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
田沼 隆浩
2004年から大手保険代理店で保険事業に従事。M&Aを中心に子会社社長などを歴任。2021年より株式会社エコスマートへ事業開発責任者として入社。保険セミナーの実績も多数あり。
田沼 隆浩のプロフィールを見る住宅火災保険とは
住宅火災保険とは、火事や災害から建物を守る火災保険の一種です。さまざまな災害で建物や家財が壊れた際の修理費を補償します。台風や落雷などの自然災害もカバーします。
住宅火災保険のポイント
- 火災や落雷などによる大きな損害に備えられる
- 地震や津波、洪水などは対象外
なお、「住宅火災保険」「住宅総合保険」は伝統的な商品区分で、大手損害保険会社では同名商品の新規販売を終了しています。現在は、これらをベースに水災などの補償を自由に選べる総合型の火災保険(各社の「すまいの保険」など)が主流です。本記事は、水災補償を外したシンプルなプラン(住宅火災保険タイプ)を選ぶ際の考え方として参考にしてください。
一緒に検討したほうが良い保険
住宅火災保険タイプを検討する場合、水災などまで補償する総合型の火災保険(住宅総合保険タイプ)や地震保険もあわせて検討しましょう。住宅総合保険は、住宅火災保険に水災などの補償をプラスした商品区分です。地震保険は、地震や津波のリスクに備えられます。
他の保険との比較図
| 損害 | 住宅火災保険 | 住宅総合保険 | 地震保険 |
|---|---|---|---|
| 火災、落雷、破裂または爆発 | 〇 | 〇 | ✕ |
| 風災、ひょう災、雪災 | 〇 | 〇 | ✕ |
| 水災 | ✕ | 〇 | ✕ |
| 外部からの飛来や衝突 | ✕ | 〇 | ✕ |
| 水漏れ | ✕ | 〇 | ✕ |
| 盗難 | ✕ | 〇 | ✕ |
| 不測かつ突発的な事故(破損・汚損) | ✕ | 〇 | ✕ |
| 地震、噴火、津波 | ✕ | ✕ | 〇 |
| 地震による火災 | ✕ | ✕ | 〇 |
「外部からの飛来や衝突」の例
・自動車が運転を誤って建物に突っ込み、家の壁を壊してしまった
・テレビ中継のヘリコプターから物が落ちてきて、屋根に穴が空いた
など...
洪水や空き巣などが心配な人は、水災・盗難補償のある総合型の火災保険がおすすめです。海の近い地域に家を購入する場合は地震保険もあわせて加入すると良いでしょう。
住宅火災保険はこんな人におすすめ
住宅火災保険はこのような条件に当てはまる人におすすめです。
住宅火災保険がおすすめな人
- 災害による損害の補償プランがほしい人
- 災害リスクが高い地域に住んでいる人
- 家が壊れても立て直すお金がない人
- 住宅ローンが残っている人
- 川から遠い地域に住んでいる人

川に近い地域に住んでいる人は、水災にも備えられる総合型の火災保険(住宅総合保険タイプ)がおすすめです。
住宅火災保険のメリット
住宅火災保険のメリットは主に3つあります。
住宅火災保険のメリット
- メリット1:自然災害に備えられる
- メリット2:火事にまき込まれても補償される
- メリット3:敷地内にある設備の損害もカバーできる
メリット1:自然災害に備えられる
住宅火災保険は火災や落雷、風災などの予測できない災害に備えられます。災害による家の損害額は高額になりやすいです。
例えば、台風などの災害で屋根が破損して雨漏りが発生した場合、屋根の葺き替えなどの修繕工事で数百万円の修繕費がかかることもあります。
メリット2:火事にまき込まれても補償される
住宅火災保険に加入していれば、隣の家から火が燃え移り建物や家財が壊された場合の損害も補償されます。反対に、自宅の火災で隣の家に燃え移ってしまった場合、失火責任法により重大な過失がなければ法律上の賠償責任は発生しませんが、自分の火災保険で隣家の損害が補償されるわけでもありません。近隣への延焼に備えたい人は、類焼損害を補償する特約を検討しましょう。

特に隣同士の家が近い都心部の人は火が燃え移るリスクが高いので、もらい火に備えて火災の補償を手厚くし、隣家への延焼が心配なら類焼損害の特約も検討するのがおすすめです。
メリット3:敷地内にある設備の損害もカバーできる
塀や門、車庫など家の敷地内にある設備が災害により壊れた場合の損害が補償されます。ただし車やバイクなどの自動車は補償の対象外です。

さまざまな設備がある一軒家の人には助かる補償です。
住宅火災保険のデメリット
住宅火災保険のデメリットは主に3つあります。
住宅火災保険のデメリット
- デメリット1:水災は対象外
- デメリット2:地震や津波も対象外
- デメリット3:購入した金額では補償されない
デメリット1:水災は対象外
住宅火災保険では、台風による洪水などで家が流されたり浸水した場合は補償されません。水災のリスクに備えたい人は、水災補償のある総合型の火災保険を選びましょう。
デメリット2:地震や津波も対象外
住宅火災保険では地震により家が壊れたり、津波によって家が流されても補償されません。また地震によって起こった火災も対象外です。
デメリット3:購入した金額では補償されない
現在の火災保険は、同等の建物・家財を新たに建築・購入するのに必要な金額(新価=再調達価額)を基準に保険金額を設定するのが主流です。新価基準なら建て直し・買い直しの費用が補償されますが、購入時の価格が高くても現在の再調達価額を超える分は補償されません。また、古い契約などで時価(再調達価額から経年劣化分を差し引いた金額)基準になっている場合は、保険金だけでは同じものをそろえられない可能性があるため、契約の基準を確認しましょう。
新価(再調達価額)とは
同等のものを今新たに建築・購入するのに必要な金額
時価とは
新価から経年・使用による消耗分を差し引いた金額

古い契約は時価基準のままの場合があります。証券で『新価』か『時価』かを確認するのがおすすめです。
また高額な宝石や骨董品などは、契約時に申告(明記物件)しないと補償されなかったり、支払いに限度額(1個30万円まで、1事故100万円までなど保険会社によって異なる)が設けられたりします。高価な家財がある場合は、事前の申告の要否と限度額を必ず確認しましょう。
住宅火災保険の選び方
住宅火災保険のプランを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを専門家が紹介します。
1.保険料の割引があるか
契約期間はまとめて契約するほど1年あたりの保険料が割安になります。なお、2022年10月以降の新規契約は保険期間が最長5年に短縮されているため、同じ家に住み続けるなら5年契約+保険料一括払いがもっとも割安です。また、火災保険料の目安となる参考純率は2023年に全国平均で13.0%引き上げられ、2024年10月以降の各社の保険料に順次反映されています。更新のたびに補償内容と保険料を見直しましょう。
2.必要な補償だけ選べるか
マンションの場合、自分の専有部分だけ補償するものがおすすめです。塀や門など、皆で使用する共有部分の補償はいりません。反対に1戸建ての場合は塀や車庫などの補償がついたものがおすすめです。
マンションと一戸建てに必要な補償例

専有部分とは
マンションにおける自分が所有する部分(自分の部屋)
共有部分とは
マンションにおける専有部分以外の部分(エントランスなど)

住宅火災保険には、いくつかの補償がセットになっている「パッケージ型」と補償を選べる「選択型」があります。保険料を抑えたい人は、「選択型」で補償を最低限でもちましょう。
3.小さな費用も補償されるか
災害では、建物や家財の損害とは別に諸費用がかかるケースが多いです。
諸費用の例
- 家がなくなったときの仮住まいにかかる費用(ホテル代など)
- 消火器の設置費用
諸費用は商品によっては補償の対象外としている場合があります。

もしものときの出費を少しでも抑えるために、細かな費用もしっかり補償される保険がおすすめです。
住宅火災保険の選び方まとめ
住宅火災保険は火災や自然災害で建物や家財が壊れた際の修理費を補償する保険なので、災害リスクが高い地域に住んでいる人におすすめです。選び方に迷ったら必要な補償のみを選べる保険で検討すると良いでしょう。
この記事の要点
- 住宅火災保険は火事や災害から建物を守る火災保険の一種
- 主に火災や風災、落雷などによる損害をカバーできる
- 必要な補償だけ選べるプランがおすすめ
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