70代の医療保険を選ぶ前に知っておきたいこと
この記事では、保険代理店エコスマートの申込み件数ランキングをもとに、60代・70代向けのおすすめ医療保険を紹介しています。あわせて、70代の医療保険の選び方5つのチェックポイント、公的医療保険制度を踏まえた必要性、男女別に意識したいポイント、60代からの備え方まで、保険の専門家の監修のもと解説します。
医療保険を探していると、こんなお悩みありませんか?

70代で医療保険に入る場合、どうやって選んだらいいの?

そもそも70代で医療保険に入る必要ってある?
そんなお悩みを解決するために、70代の医療保険選びで確認したいポイントを、データにもとづいて整理しました。
この記事を監修した専門家
株式会社エコスマート
事業開発責任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
田沼 隆浩
2004年から大手保険代理店で保険事業に従事。M&Aを中心に子会社社長などを歴任。2021年より株式会社エコスマートへ事業開発責任者として入社。保険セミナーの実績も多数あり。
田沼 隆浩のプロフィールを見る70代の医療保険の選び方|5つのチェックポイント
70代で医療保険を選ぶときは、次の5つを順番に確認すると、自分に合う保障を絞り込みやすくなります。
70代の医療保険選び 5つのチェックポイント
- ①保険期間:終身型か、定期型(更新型)か
- ②入院保障:支払限度日数は長引く入院に対応できるか
- ③保険料:年金中心の家計で無理なく払い続けられるか
- ④先進医療など、公的保険の対象外の費用に備えるか
- ⑤持病がある場合は、告知の内容と引受基準緩和型も確認

①保険期間:終身型か定期型か
医療保険には、保障が一生涯続く「終身型」と、10年など一定期間ごとに更新する「定期型」があります。終身型は加入時の保険料が一生涯変わらないのが一般的です。定期型は当初の保険料を抑えやすい一方、更新のたびに保険料が上がる仕組みが一般的です。
70代は、これから病気やケガのリスクがさらに高まっていく年代です。更新のたびに保険料負担が重くなる定期型よりも、保障と保険料が一生涯続く終身型が中心的な選択肢になります。

更新型は、保障が本当に必要になる年代ほど保険料が高くなる点に注意しましょう。
②入院保障:支払限度日数と長引く入院への備え
医療保険の入院給付金には「1入院あたり60日まで」のように支払限度日数が定められているのが一般的です。厚生労働省「患者調査」(2023年)によると、退院患者の平均在院日数は全体の28.4日に対し、70歳以上では36.7日と長くなっています。年齢が上がるほど入院が長引きやすいことを踏まえて、支払限度日数の長さや、特定の病気で支払日数の制限が緩和・無制限になる仕組みの有無を確認しましょう。
また、入院の初期にかかるまとまった出費には、入院一時金の保障を組み合わせて備える考え方もあります。
③保険料:年金中心の家計で無理なく払い続けられるか
70代からの保険選びでは、「加入できるか」と同じくらい「払い続けられるか」が重要です。収入がおもに年金となる家計を想定して、無理のない保険料に収めましょう。解約返戻金のない、いわゆる掛け捨て型は保険料を抑えやすい傾向があります。
保険料を考えるときの視点
- 年金収入の中で継続して払える金額か
- 保障を欲張りすぎて、日々の家計を圧迫していないか
- すでに加入している保険と保障が重複していないか
④先進医療・公的保険の対象外の費用に備えるか
先進医療とは、厚生労働大臣が定める先進医療をいい、療養を受けた日現在に規定されているものに限ります。そのため、対象となる先進医療は変動します。先進医療の技術料は公的医療保険の対象外で全額自己負担となるため、先進医療を保障する特約などによって治療の選択肢を広げておくことができます。
このほか、入院時の差額ベッド代や食事代の一部なども公的保険ではカバーされません(詳しくは後述)。どこまでを保険で備え、どこからを貯蓄で賄うかを考えて、特約の要否を判断しましょう。
⑤持病がある場合は告知内容と引受基準緩和型を確認
医療保険の加入時には健康状態の告知が必要で、持病や既往歴の内容によっては通常の商品に加入できない場合があります。その場合も、告知項目を絞った「引受基準緩和型」の商品が選択肢になります。一般に通常の商品より保険料は割高になる傾向があるため、まず通常型に加入できるかを確認し、難しければ緩和型を検討する順番がおすすめです。

持病があっても、内容によっては通常の医療保険に入れることがあります。自己判断であきらめる前に、告知内容を確認してみましょう。
70代の病気・入院リスク|データで見る受療率と在院日数
70代になると、入院のリスクはどのくらい高まるのでしょうか。厚生労働省「患者調査」(2023年)のデータで確認しましょう。
年齢とともに入院は増え、長引きやすい
人口10万人あたりの入院受療率(2023年10月)は、全体の945に対して70〜74歳は1,502、75〜79歳は2,033、80〜84歳は2,952と、年齢とともに大きく上昇します。70歳以上の合計では2,787と、全体の約3倍の水準です。

入院したときの長さにも差があります。退院患者の平均在院日数は全体の28.4日に対し、70歳以上は36.7日、75歳以上は39.0日と長くなる傾向があります。「入院する確率が上がり、入院すると長引きやすい」のが70代以降の特徴です。
三大疾病・生活習慣病と「長生きのリスク」
高齢になるほど、がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病や生活習慣病のリスクが高まり、これらは入院が長期になりやすい病気でもあります。また、転倒などによる骨折で入院するリスクも高齢期には無視できません(男女差は後述)。
70代で医療保険を検討したい人
- 長引く入院の出費に貯蓄だけで向き合いたくない
- 老後資金を医療費で取り崩したくない
- 健康状態が変わる前に、入れるうちに備えておきたい
なお、要支援・要介護状態や認知症といった「長生きにともなうリスク」への備えは、医療保険ではなく介護保険や認知症保険など別の保険の領域です。医療保険とは分けて考えましょう。
70代に医療保険は必要?公的制度でどこまでカバーできる?
医療保険が必要かどうかは、「公的な医療保険制度でどこまでカバーされるのか」と「カバーされない部分を貯蓄で賄えるか」で考えると判断しやすくなります。
医療費の自己負担割合と高額療養費制度
公的医療保険では、医療費の自己負担は年齢と所得に応じて1〜3割です。70〜74歳は2割(現役並み所得の場合は3割)、75歳以降は原則1割(一定以上の所得がある場合は2割、現役並み所得の場合は3割)となっています。
年齢ごとの医療費自己負担割合(2026年7月現在)
| 年齢 | 負担割合 |
|---|---|
| 義務教育就学前 | 2割 |
| 義務教育就学後~69歳 | 3割 |
| 70~74歳 | 2割(現役並み所得の場合は3割) |
| 75歳以降 | 1割(課税所得28万円以上かつ年金収入とその他の合計所得金額が単身で200万円以上・後期高齢者が2人以上の世帯で合計320万円以上の場合は2割、現役並み所得の場合は3割) |
なお、公的医療保険には1ヶ月の自己負担額が一定の上限を超えた分があとから払い戻される「高額療養費制度」があります。この制度は2026年8月1日の診療分から自己負担限度額が引き上げられ、新たに「年間の負担上限」が導入されました。改定の詳細は「高額療養費制度は2026年8月からどう変わる?年収別の新上限額を解説」をご覧ください。ご自身の年収・年齢での自己負担上限の目安は「高額療養費シミュレーター」で確認できます。
公的保険でカバーしにくい費用もある
公的医療保険と高額療養費制度があっても、入院・治療のすべてがカバーされるわけではありません。次のような費用は自己負担になります。
公的保険でカバーしにくい費用の例
- 差額ベッド代(希望して個室などに入院した場合)
- 入院中の食事代の一部・日用品などの雑費
- 先進医療の技術料(全額自己負担)
- 通院のための交通費や、見舞いに来る家族の交通費
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2025(令和7)年度)によると、過去5年間に入院し自己負担を支払った人の直近の入院時の自己負担費用は平均18.7万円、1日あたりでは平均24,300円でした。この金額は高額療養費制度を利用した場合は利用後のもので、治療費・食事代・差額ベッド代のほか、交通費や日用品費なども含みます。

「医療費そのもの」は高額療養費制度で抑えられても、その周辺の出費は積み重なります。入院が長引きやすい70代は、この部分にどう備えるかがポイントです。
医療保険の必要性が高い人・優先度が低い人
以上を踏まえると、70代の医療保険の必要性は次のように整理できます。
必要性が高い人
- 収入がおもに年金で、入院時の出費が家計に響きやすい人
- 老後資金を医療費で取り崩したくない人
- 長引く入院や先進医療にも備えておきたい人
優先度が低い人
- 入院時の自己負担を十分に賄える貯蓄がある人
- すでに加入している保険で入院・手術の保障を確保できている人

保険はあくまで手段です。貯蓄・公的制度・すでに加入中の保険を確認したうえで、足りない部分を医療保険で補うのが基本の考え方です。
70代で医療保険に加入するメリット・デメリット
70代で医療保険に加入するメリット・デメリットを整理します。

70代で加入するメリット
メリット
- メリット1:入院・手術の自己負担分を給付金でカバーできる
- メリット2:差額ベッド代や先進医療など、公的保険の対象外の費用に備えられる
収入がおもに年金となる70代では、入院時の出費を貯蓄の取り崩しで賄う場面が増えます。医療保険に加入しておけば、自己負担分を給付金でカバーでき、老後資金を守りながら治療に臨みやすくなります。また、特約により先進医療の技術料など公的保険の対象外の費用にも備えられます。
70代で加入するデメリットと対策
デメリット
- デメリット1:若いうちに加入するより保険料が高くなる
- デメリット2:健康状態によっては加入できない場合や、保障に条件が付く場合がある
70代の加入では、入院リスクの上昇にあわせて保険料も若い年代より高くなります。また、持病や既往歴によっては加入を断られたり、特定の部位・疾病を保障の対象外とする条件が付いたりすることがあります。対策としては、①優先度の高い保障に絞って保険料を抑える、②解約返戻金のない掛け捨て型を選ぶ、③通常型が難しければ引受基準緩和型を検討する、④すでに加入している保険との重複を省く、の4つが基本です。

保障を厚くするほど安心ですが、その分保険料も上がります。「何に備えたいか」を先に決めてから見比べると、保険料と保障のバランスを取りやすくなります。
男女別|70代の医療保険で意識したいポイント
医療保険の基本的な選び方は男女で大きく変わりません。ただし、かかりやすい病気の傾向には男女差があるため、保障を検討するうえで知っておくと役立ちます。
70代男性が意識したいポイント
男性は、がん(悪性新生物)による入院受療率(人口10万対・全年齢)が101と、女性の71より高くなっています(2023年)。がんの罹患率は60代以降に上昇が本格化するため、がんを含む三大疾病で入院が長引いた場合への備えとして、支払限度日数の扱いや一時金の有無を確認しておくと安心につながります。
70代女性が意識したいポイント
女性は、骨折による入院受療率(人口10万対・全年齢)が108と、男性の45より高くなっています(2023年)。高齢期の転倒・骨折による入院への備えとして、ケガによる入院も保障の対象になるかを確認しましょう。また、乳がんなど女性特有の病気は70代でも罹患が続くため、女性向けの保障を上乗せするかも検討ポイントです。

男女とも保障の骨組みは同じです。かかりやすい病気の傾向を踏まえて、特約や一時金を調整するのが実践的な考え方です。
60代からの医療保険はどう考える?
「70代になる前に備えておきたい」という60代の方も多いはずです。ここでは60代からの医療保険の考え方を整理します。
60代前半と後半で変わる備え方
60代前半(60〜64歳)は医療費の自己負担が3割で、まだ働いている人も多く、保険の見直しや入り直しがしやすい時期です。退職後の収入減を見据えて、年金生活になっても払い続けられる保険料水準に整えておきましょう。
65歳以降は、収入がおもに年金となる人が増えます。人口10万人あたりの入院受療率は60〜64歳の838に対して65〜69歳は1,117、70〜74歳は1,502と上昇していきます(2023年10月)。保障の空白を作らないよう、更新型の保険に加入している場合は、更新後の保険料がいくらになるかも確認しておきたいところです。
60代のうちに確認しておきたいこと
60代のうちに確認しておきたいこと
- いまの保険の保障内容と保険期間(いつまで続くか・更新で保険料がどう変わるか)
- がんへの備え(医療保険の特約で備えるか、がん保険で備えるか)
- 持病がある場合の選択肢(通常型に入れるか、引受基準緩和型か)
がんへの備えをあわせて検討したい方は「60代・70代向けがん保険おすすめランキング」をご覧ください。
70代の医療保険でよくある質問
70代からでも医療保険に入れますか?何歳まで入れますか?
多くの商品で70代からの新規加入が可能です。新たに契約できる年齢の範囲は保険会社・商品により異なりますが、75〜80歳程度まで取り扱っている会社もあります。健康状態の告知内容によって引受けの可否が変わるため、複数の商品を比較して検討しましょう。
持病(高血圧・糖尿病など)があっても医療保険に入れますか?
告知の内容によっては、通常の医療保険に加入できる場合があります。難しい場合も、告知項目を絞った引受基準緩和型の商品が選択肢になります。一般に保険料は割高になる傾向があるため、通常の商品から先に検討するのがおすすめです。
高額療養費制度があれば医療保険は不要ですか?
高額療養費制度で医療費の自己負担には月ごとの上限が設けられますが、差額ベッド代・入院中の食事代の一部・先進医療の技術料・交通費などは対象外です。こうした費用を貯蓄で賄えるかどうかが判断の目安になります。制度の内容は「高額療養費制度は2026年8月からどう変わる?年収別の新上限額を解説」で解説しています。
医療保険とがん保険はどちらを優先すべきですか?
病気やケガ全般の入院・手術に幅広く備えるのが医療保険、がんに特化して手厚く備えるのががん保険です。どちらも未加入なら、まず医療保険で土台を作り、がんへの備えを上乗せしたい場合にがん保険を検討する考え方が基本です。60代・70代のがん保険は「60代・70代向けがん保険おすすめランキング」で紹介しています。
保険料をできるだけ抑えるにはどうすればいいですか?
入院給付金など優先度の高い保障に絞る、解約返戻金のない掛け捨て型を選ぶ、特約を必要なものに限定する、といった方法があります。ただし保障を削りすぎると加入の目的を果たせなくなるため、必要な保障とのバランスを意識しましょう。
60代・70代向け医療保険のまとめ
70代は、入院する確率が上がり、入院すると長引きやすい年代です。公的医療保険や高額療養費制度を土台に、カバーしきれない費用と老後資金への影響を見極めて、必要な保障を医療保険で補いましょう。
この記事の要点
- 選び方は「保険期間→入院保障→保険料→先進医療→告知」の5ステップで確認する
- 70歳以上の入院受療率は全体の約3倍。平均在院日数も70歳以上は36.7日と長め(患者調査2023)
- 70代の医療費の自己負担は原則1〜2割だが、差額ベッド代・食事代・先進医療などは対象外
- 入院時の自己負担費用は平均18.7万円・1日あたり平均24,300円(生活保障に関する調査・2025年度)
- 保険料は年金中心の家計で無理なく払い続けられる金額に収める
- 持病があっても、告知内容によっては通常型や引受基準緩和型が選択肢になる
冒頭のランキングでは、エコスマートの申込み件数をもとにした人気プランを紹介しています。年代を問わない総合的な人気ランキングは「医療保険おすすめ人気ランキング」もあわせてご覧ください。
【参考資料】
- 厚生労働省「令和5(2023)年患者調査の概況」
- 公益財団法人生命保険文化センター「医療保険」/「生活保障に関する調査」(2025(令和7)年度)
- 高額療養費制度の改定内容: 当サイト解説記事(/money/28585/)