
「もし入院や手術で医療費が100万円かかったら、自分はいくら払うことになる?」——その答えは、高額療養費制度の自己負担上限額でほぼ決まります。
このページのシミュレーターを使えば、年齢・年収と金額を入れるだけで、2026年8月改定後の自己負担額の目安と改定前との差額がその場でわかります。計算はすべてこのページ内で完結し、入力した金額が送信・保存されることはありません。
この記事を監修した専門家
株式会社エコスマート
事業開発責任者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
田沼 隆浩
2004年から大手保険代理店で保険事業に従事。M&Aを中心に子会社社長などを歴任。2021年より株式会社エコスマートへ事業開発責任者として入社。保険セミナーの実績も多数あり。
田沼 隆浩のプロフィールを見る高額療養費シミュレーター(2026年8月改定対応)
使い方は3ステップです。①年齢と年収の目安を選ぶ → ②金額を入力(窓口で支払った額でも、医療費の総額でもOK) → ③「自己負担額を計算する」を押す。
計算の前提と注意点
- 計算結果は目安です。実際の支給額は、加入している保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村など)の決定によります。健保組合によっては付加給付により負担がさらに軽くなる場合があります
- 「窓口で支払った額」から計算する場合、医療費の総額は負担割合からの逆算による推定値です
- 「医療費の総額(10割)」から計算する場合、医療費は保険診療分(10割)で入力してください。入院時の食事代・差額ベッド代・先進医療の技術料などは高額療養費の対象外です
- 年収区分は目安です。正式には、70歳未満は健康保険が標準報酬月額・国民健康保険が旧ただし書き所得、70〜74歳は健康保険が標準報酬月額・国民健康保険が課税所得などで判定されます
- 1ヶ月は暦月(同じ月の1日〜末日)単位で計算します。月をまたいだ医療費は合算できません
- 70歳未満の世帯合算は、受診者・医療機関・医科/歯科・入院/外来ごとに分けた自己負担額が21,000円以上のものだけが対象です(院外薬局分は処方元の医療機関と合算)。本ツールは世帯合算・年間上限(8月〜翌7月)の計算には対応していません
- 多数回該当の回数には、限度額適用認定証などで支払いが上限額までになった月も含みます。70〜74歳で外来だけの上限に該当した月は数えません。転職などで保険者が変わった場合は原則通算されません
- 人工透析など「特定疾病療養受療証」が適用される治療(月の上限1万円または2万円)は、本ツールでは計算できません
- 未就学のお子さま(窓口2割負担)の計算には対応していません
- 「医療費の総額(10割)」から計算する場合の窓口負担は10円未満四捨五入で計算しています
シミュレーターの使い方と結果の見方
入力のポイント
- 領収書が手元にある方は「窓口で支払った額」のままが簡単です。領収書の保険診療分(一部負担金)の金額を入力してください。かかった医療費の総額(10割)がわかっている場合は「医療費の総額」に切り替えられます。マイナ保険証や限度額適用認定証で、すでに支払いが上限額までになっている場合は「医療費の総額」で入力してください
- 年収区分に迷ったら、選択欄の下に表示される判定基準が目安になります。70歳未満は健康保険が標準報酬月額・国民健康保険が旧ただし書き所得、70〜74歳は健康保険が標準報酬月額・国民健康保険が課税所得などで判定されます
- 直近12ヶ月で上限額に達した月が3回以上ある方は「多数回該当」にチェックを入れると、4回目以降の下がった上限額で計算します。わからない場合はチェックなしのままで構いません
結果の見方
結果には「高額療養費 適用後のひと月の自己負担」と「払い戻される額」に加えて、改定前(2026年7月診療分まで)ならいくらだったかを併せて表示します。たとえば年収約370万〜770万円の方に医療費100万円がかかった月の自己負担は約9万3,000円(92,940円)で、改定前より月5,510円の増加です(2026年8月現在)。

結果の下には、あなたの区分の年間上限(2026年8月新設・8月〜翌年7月の合計に対する上限)も表示されます。治療が長引きそうなときの目安にしてください。
自己負担限度額の早見表(2026年8月診療分から)
シミュレーターの計算に使っている上限額の一覧です(2026年8月現在)。〈 〉内は多数回該当の金額です。
70歳未満(ひと月・世帯ごと)
| 年収の目安 | ひと月の上限額 | 年間上限(新設) |
|---|---|---|
| 約1,160万円〜 標準報酬月額83万円以上 | 270,300円+(医療費−901,000円)×1% 〈140,100円〉 | 168万円 |
| 約770万〜約1,160万円 標準報酬月額53万〜79万円 | 179,100円+(医療費−597,000円)×1% 〈93,000円〉 | 111万円 |
| 約370万〜約770万円 標準報酬月額28万〜50万円 | 85,800円+(医療費−286,000円)×1% 〈44,400円〉 | 53万円 |
| 〜約370万円 標準報酬月額26万円以下 | 61,500円 〈44,400円〉 | 53万円※ |
| 住民税非課税 | 36,900円 〈24,600円〉 | 29万円 |
※年収約200万円未満であることが確認できた場合は年間上限41万円が適用されます(払い戻しは2027年8月以降)。国民健康保険の方の区分は旧ただし書き所得(上から901万円超/600万〜901万円/210万〜600万円/210万円以下)で判定されます。

70〜74歳(現役並み所得は3割・それ以外は2割負担)
現役並み所得(健康保険は標準報酬月額28万円以上、国民健康保険は課税所得145万円以上など)の方の上限額は、70歳未満の上位3区分と同じです。一般・住民税非課税の方には、外来だけの上限(外来特例)があります。
| 区分 | 外来(個人ごと) | 世帯(入院含む) | 年間上限(新設) |
|---|---|---|---|
| 一般(〜約370万円) | 22,000円 外来の年間上限216,000円 | 61,500円 〈44,400円〉 | 53万円※ |
| 住民税非課税II | 11,000円 外来の年間上限96,000円 | 25,700円 〈24,600円〉 | 29万円 |
| 住民税非課税I 所得が一定以下 | 8,000円 | 15,700円 | 18万円 |
※一般区分でも、年収約200万円未満(健康保険は標準報酬月額15万円以下、国民健康保険は課税所得28万円未満など)と確認された場合は、年間上限41万円が適用されます(払い戻しは2027年8月以降)。
なお、2027年8月には所得区分の細分化(第2段階・70歳未満で5→13区分)が予定されています。改定の全体像や「なぜ上限額が上がるのか」は、解説記事「高額療養費制度は2026年8月からどう変わった?年収別の新上限額を解説」をご覧ください。
計算の前提と注意点
高額療養費制度は「かかった医療費」ではなく「保険診療の自己負担」に上限を設けるしくみです。シミュレーターを使うときは、次の前提を押さえておいてください。

- 計算結果は目安です。実際の支給額は加入している保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村など)が決定します。健康保険組合によっては付加給付があり、負担がさらに軽くなる場合があります
- 対象は保険診療分のみ。入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療の技術料などは高額療養費の対象外です
- 1ヶ月は暦月(同じ月の1日〜末日)単位で数えます。月をまたいだ医療費は合算できません
- 世帯合算には対応していません。同じ公的医療保険に加入する家族の自己負担は世帯で合算でき、上限を超えれば支給対象になります。70歳未満は、受診者・医療機関・医科/歯科・入院/外来ごとに分けた自己負担額が21,000円以上のものだけが合算対象です(院外薬局分は処方元の医療機関と合算)。該当しそうな場合は保険者に確認してください
- 年間上限(8月〜翌年7月)の計算にも対応していません。年間上限による払い戻しは本人からの申出(申請)が前提の運用で始まっています。医療費が続いた年は保険者に確認しましょう
- 75歳以上の方(後期高齢者医療制度)と未就学のお子さま(窓口2割負担)の計算には対応していません
- 人工透析など「特定疾病療養受療証」が適用される治療(月の上限1万円または2万円)の計算にも対応していません
協会けんぽに加入している方は、協会けんぽ公式の高額療養費簡易試算でも試算できます(70歳未満用)。
よくある質問(FAQ)
シミュレーターの結果と実際の支給額が違うことはありますか?
あります。計算結果はあくまで目安で、実際の支給額は加入している保険者(健康保険組合・協会けんぽ・市区町村など)の決定によります。健康保険組合によっては付加給付があり、実際の負担がさらに軽くなる場合もあります。
医療費にはどこまで含めればいいですか?
保険診療分だけを含めます。入院時の食事代、差額ベッド代、先進医療の技術料などは高額療養費の対象外のため含めません。「窓口で支払った額」で入力する場合は、領収書の保険診療分(一部負担金)の金額を使ってください。
75歳以上でも使えますか?
このシミュレーターでは計算できません。ただし、75歳以上の方も後期高齢者医療制度のもとで高額療養費制度そのものは利用できます。負担割合や所得区分の判定方法が異なるため、限度額は加入している後期高齢者医療制度の窓口(都道府県の広域連合・市区町村)にご確認ください。
多数回該当とは何ですか?
直近12ヶ月の間に高額療養費の対象になった月が3回以上あると、4回目からひと月の上限額がさらに下がるしくみです。多数回該当の金額は2026年8月の改定でも据え置かれています。
2026年8月の改定で何が変わりましたか?
月々の自己負担上限額の引き上げと、「年間上限」の新設が同時に行われました。多数回該当の金額は据え置きです。負担が増える人と減る人の両方がいる改定です。
→ 改定の詳細は高額療養費制度の2026年8月改定まとめで解説しています。
まとめ
- 高額療養費制度があるため、医療費100万円の月でも自己負担は年収区分ごとの上限額まで(例: 年収約370万〜770万円で約9万3,000円・2026年8月現在)
- 2026年8月改定で上限額は引き上げ。シミュレーターで自分の区分の「改定前との差額」を確認できる
- マイナ保険証や限度額適用認定証を提示すれば、医療機関ごとの窓口支払いを上限額までにできる(複数の医療機関の分や世帯合算などは、あとから申請による払い戻しになる場合あり)
- 治療が長引くときは多数回該当と新設の年間上限(申請前提)も確認を
一方で、上限までの自己負担(月8万〜9万円台)や、差額ベッド代・食事代など高額療養費の対象にならない費用は残ります。改定後の上限額を確認したら、いまの保障でどこまでカバーできるかも見直してみてください。
出典
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」https://www.mhlw.go.jp/content/001726232.pdf
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「高額療養費簡易試算」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/002/001/index.html